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寄生獣ネタバレ感想

寄生獣(きせいじゅう)のネタバレや内容、感想などを更新しています。寄生獣(きせいじゅう)の魅力をお伝えしていきます。

 

カテゴリー:各話感想

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寄生獣 第26話 少女の夢 [各話感想]

加奈が一人、広大な花畑で座っている。


そこへ得体のしれない怪物たちがやってくる。


逃げる加奈。だがあっけなく捕まってしまう。

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その時、白馬に乗った男が現れる。


男は右手から剣をだし、次々と怪物たちを倒していく。


馬を下り加奈に近づいてくる男。


その男はどことなく新一に似ている。


男は加奈を抱き上げる。


「あなたは・・命の恩人です」と加奈。


二人はゆっくりと唇を合わせようとする。


・・・という夢から覚める加奈。


かなりはずかしそうだ。

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朝、登校する加奈の目に週刊誌の写真が飛び込んでくる。


その写真の島田という男に見覚えがある加奈。


たしか新一が化け物と呼んでいた男だ。


(まさ・・・か)




午後になり下校の時間。


新一の髪の毛が突然抜かれる。


抜いた犯人は加奈だった。


髪の毛が何にも反応しないことに安心する加奈。


あの時のやつが島田秀雄のだったんでしょと聞く加奈。


化け物の正体を知っていたのかという問いに、答えられない新一。


全てを話してもいいのかもと思う新一。


だがミギーは起きている。そして反対しているのもわかる。


新一は遠回しに、不思議な力で感じる人達に近づいてはだめだと忠告する。


だが遠回しすぎて説得力がない。


そんな時、ミギーが話があるから1人になれと小声で話しかける。


用事を思い出したと1人になる新一。


ミギーは新一にあの女と話すなと忠告する。


そうはいかないと否定する新一。


もう少しうまく話すさ、彼女はすごく安全な立場にたてるんだぜと新一。


しかしミギーは新一がボロを出すんじゃないかと心配している。


気を付けるよと新一がミギーに返す。



ミギーと新一が話している最中、加奈のもとに村野が現れる。


かなり気まずそうだ。


その時、村野が口を開く。


「あのー・・・こんなこと、いきなり聞くのも何て言うか・・・・。泉くん前と比べてすごく変わったと思いません?」


前と比べてと言われても分かんないと答える加奈に対し、「最初に会った頃と今と・・・」となおも食らいつく村野。


「ケンカでもした?好きなんでしょ?」と逆に問い返す加奈。


「前と違うんです。そりゃ話せば普通なんだけど・・・」


「あたしの命の恩人だし」


「あたしにはわかんない。はじめからあんな感じじゃなかったっけ?」とその場を立ち去る加奈。


ベンチに座ってうつむいている村野を見る加奈。


(あたしにも脈ありそうじゃん)と心でつぶやく。

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伊豆のホテルで働く宇田。


掃除をしていると突然、髪の毛を抜かれる。


どうも宇田の言動から怪しいと疑われていたようだ。


だが宇田の髪の毛は反応せず疑いがはらせた。


部屋に戻る宇田。


すると突然、のどのあたりから寄生生物が登場。
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髪の毛で見分けれるなら俺らや新一たちには好都合だと宇田のパラサイトはつぶやく。


宇田は先日の新一の学校の事件を心配しているようだが、パラサイトは宇田よりはるかに新一の方が精神力が強いと言う。



人間たちがあちらこちらで互いの髪の毛を抜いてみるが・・・・大抵は何も起こらなかった。


人間全体の数からすれば寄生生物の数はわずかだったのである。



酔っぱらいの女性が帰り道、間違えて知らない男性にまとわりついている。


夜の公園でようやく人違いだと気付く女性。


しかし、その男性がイケメンだったので再び腕を組みにかかる。


男性はベンチまで女性を誘導すると、その場を立ち去ろうとする。


それに追いすがる酔っぱらいの女性。


しかたなくベンチに座る男性。


女性は男性の顔が整いすぎていると絡み始める。


そして冗談で髪の毛を抜いてみる。
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すると髪の毛が奇妙な動きをする。


驚愕する女性。


男は妙に冷静だ。


それに反して女性は慌てふためく。


ゴキッと妙な音とがする。


女性の首が曲がってはいけない方向に。


そこへ別の女性が通りかかる。


「何やってる?」とその女性。冷静だ。


「近くに仲間がいて助かった。手伝ってくれないか」と男性。


二人は草むらに移動すると、死体となった女性を食べ始める。


しかし、アルコール入りはお気に召さないようだ。




最後の女性は気の毒だけど、自業自得のような気もする。


自分から寄生生物に近づいてはいけないということだ。


これは加奈に対する教訓ともいえるが・・・・



寄生獣(きせいじゅう)第27話に続く

寄生獣 第25話 波紋 [各話感想]



島田の死体を前にして今後の対策を考える、警察関係者たち。


結局、世間には島田の正体を公表しないようだ。




学校の周りにはテレビカメラを構えたマスコミ関係者がはりついている。


どうやら事件について嗅ぎまわっているようだ。


そんな中、新一は登校してくる。


前の方から村野の姿が。
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もう大丈夫かとの問いに、「うん」と答える村野。


「ありがとう。泉くんがいなかったら私・・・」


別のことを考えようよと、なるべく事件のことは考えないようにと促す新一。

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今回の事件で、生徒・教師・警官合わせて17人の死者がでたらしい。


それから2週間たった今でも、この事件は謎のままだ。


マスコミの間では当初「覚せい剤中毒者」の仕業だと考えられていた。


だが、次第に本当に怪物の仕業なのではと言う論調にかわりつつある。


また犯人の少年の身元もはっきりしないのが謎を深めているようだ。




新一はなんで島田のことを隠そうとするのだろうかとミギーに問う。


人間以外の知的生命体がいて、それが人を食べることが判明した。それでどうすると逆に新一に問い返す。


大騒ぎになる。寄生生物を捕まえろとなると答える。


「だからどうやって捕まえる」とミギー。


考える新一。


そして「そうか・・今こそ俺たちが」と言う新一に、ミギーは間髪入れずに「断ると」発する。



「私は自分自身の味方であったヒトという一つの種の味方ではない」


そこをなんとかと頼む新一。


「人間に化けた寄生生物を見つけても、そいつはすぐ別人になることが出来るんだ。人間たちは捕まえることが出来ない」


「だから、俺たちがどこまでも追っていって・・・」と言い返す新一に「殺すのか?」と問うミギー。


「シンイチは私には人間的な感傷がない。だから仲間を殺すときも気分的にどうと言うことはない」


「だが私とシンイチが逆の立場だったらどうする?」


それを聞いた新一は思い悩む。


(こう言うと悩む・・・・これが人間と言う生き物なのだ)とミギーは心の中でつぶやく。

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依然として警察の公式発表は「覚せい剤中毒の少年」の犯行と言うことになっていたが、マスコミは独自の取材で真実に迫ろうとしていた。


そうした中、島田という名前が偽名であり、実体のない人物というとこが明らかにされていった。


そしていつしか「島田秀雄」とはっきり名前をあげて報道されるようになった。


さらに、ごく1部ではあるが「人間以外の生物である」とはっきり言い切るものも現れ始めた。



事件後3週間、「人間に化けた怪物がいたるところにもぐりこんでいる」とデマが飛び交うようになる。


そして人と接する時、少し毛色の違うことをするといじめなどの対象となった。


さらには被害妄想や人間不信から自殺者まで出始めた。



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警察本部では事実を公表すべきであるという意見も出てきている。


だが、依然として混乱を恐れ慎重論が主流である。


そんな時、ある研究者が人間と寄生生物の見分け方を発見したという。


寄生生物を一言で言えば「考える脳」であると研究者が熱弁する。


そして、瞬時に変形しゴムのような伸縮性と鉄のような高質化ができる。


これは生物の歴史からは考えられない異質なもののようだ。


寄生生物は血液から養分をとって生きている。さらにある程度の量が集合すれば人間並みの知能を持つ。


だがある程度の量が集まらなければ、つまり小さくちぎれた破片はどうなるか。


血液が巡らなければ干からびて死んでしまう。だから破片は再びくっつこうとする。


破片が髪の毛ほど小さくなっても生きようとする。しかし、小さすぎてもとどおり仲間にくっつこうと考える知能がないという。


つまり人間とパラサイトを見分ける方法は髪を引っこ抜くことだ。


また髪の毛でなくても、毛ほどの細胞を本体から切り離せば見分けがつく。



この事実をもとに事件から1か月、政府は寄生生物について公式な発表を行うことなる。


これにより、人間不信の混乱は収まりだし、表面的には以前の平静さを取り戻し始めた。


だが巷では、しばらくぶり出合う者同士の、神の引っ張り合いという妙な挨拶が流行りだした。





ついに寄生生物の存在が公のものとなった。


これにより人間の反転攻勢となるのか。


だが髪をいきなり抜かれたらキレそう。



寄生獣(きせいじゅう)第26話に続く

寄生獣 第24話 一撃 [各話感想]


(なまじ人間の形をしているから・・・人間の言葉をしゃべりやがるから・・・)


新一はミギーに島田までの距離を問う。


だいたい60メートルぐらいだと答えるミギー。


村野を探すつもりかと聞かれた新一は「ああ・・」と答える。


でも生きているなら今頃はもう外にと言いかけたミギーの言葉を遮る新一。


新一の鋭敏な聴覚が人の声を聞き取ったからだ。


どうやらまだ5人残っているようだ。


近くにいる3人の方へ向かって歩き始める新一。


だがミギーによればそちらは確実に島田のいる方角だ。


廊下を曲がるとそこには3人の生徒が泣きながらうずくまっていた。


その中には村野里美の姿があった。


安心する新一。


3人に近づく新一。


村野は泣きながら新一に抱きつく。


泣き崩れる村野。


「立てる?」と村野を立ち上がらせようとしたが足が震えてまともに立てないようだ。


村野と一緒にいた男子生徒2人に一緒に行こうと促す新一。


新一は自分が来た方向に行こうとすると、男子生徒は拒否する。


なぜなら新一の来た方は多くの生徒が殺されたからである。


今なら平気だと言う新一に対し、男子生徒はなおも拒否する。


そして、向こうから来た新一を人間か疑ってる。


「おまえ・・・人間?」という男子生徒の言葉をきっかけに逆方向に走り出す男子生徒2人。


そして2人が廊下を曲がった瞬間、何かが切り裂かれる音がした。


(そこに・・・・)


新一は村野を抱き起すと抱えながら猛スピードでその場を後にする。

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新一の走る後ろ姿を見ている島田。


新一は村野を抱いたまま、多くの生徒の死体がある廊下までやってきた。


しかし、そのすぐ後ろに島田の気配を感じる。


新一は右足で窓ガラスを割りそのままそこから飛び出す。
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2階から着地した新一はさらに学校に張り巡らされたフェンスをも飛び越える。


動転している村野。


そこにはサイレンの音が響き渡っている。


救急車、パトカーが多く止まっている場所まで村野を連れて行き、救急隊員に村野を預ける新一。


「もう心配いらないよ」と握っていた手を放す新一。


(もう一つ・・どうしてもやることがあるんだ・・・)


中に侵入した制服警官たち。


死体の山に悲鳴を上げる。


どうやら死体の数は10人近くあるようだ。


中には吐く警官もいるぐらい凄惨な現場だ。


そしてこの惨状から銃の使用許可もおりているみたいだ。

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新一は中の様子をうかがっている。


しかし、警官が周囲を囲んでいるため再び中には入れそうにない。


まだ戦うつもりかとミギーに問われた新一は「俺たちにも責任がある。何て言うかけじめだよ」と答える。




銃を構えた警官が島田を見つける。


「動くな。警察だ」と警告を発した瞬間、体が上下真っ二つになる。


一人の警官が銃で応戦するが寄生生物の部分にはまるで効かない。


そしてその警官も切断される。


複数人の警官が横一列で一斉に発砲。


体に弾丸を浴びながら島田は応戦。


何人かの警官が斬りつけられる。



「小さな弾丸を少々撃ちこんでも死にはしない。頭を切り離すか心臓を完全に破壊しなければ・・・しかしそれでも、いずれは力尽きるだろう」とミギーが分析する。

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全身に弾丸が撃ち込まれた島田は、血だらけになりながら階段を上る。


どうやら屋上に向かっているようだ。


その情報を無線を盗み聞きして得た新一。


すると別の場所に向かって歩きだした。


そしてミギーに問う。島田に罪はあると思うかと。


「罪?それは人間たちが人間の物差しで勝手に決めればいいことだ」と答える。


それを聞いて何かを納得した様子の新一。


「やっぱり俺たちでかたをつけよう」


新一はこぶし大の石を拾う。



新一は何かミギーに作戦を語った。


ミギーは300メートルは離れないと島田に察知されてしまうと答える。


そして、今のきみの力の上に真っ直ぐ私の力をのせることができればたぶん・・・やれるだろうと付け加える。


それを聞いた新一は一言「よし!」と発する。


屋上へ向かって追い詰めれられる島田はなおも警官を殺す。


そんな時、現場を指揮している警察関係者に対し生け捕りの指示が伝えられる。


しかしそれは無理だろうと判断する現場指揮官。


それだけ危険な相手だからだ。



新一は300メートル離れた場所にあるビルの屋上にやってきた。


(島田・・・おまえだけじゃない。田宮良子やAや・・・おまえらいったい何のために生まれてきたんだ・・・?)


そこからは学校の屋上がよく見える。


新一は屋上で待ち構える。


するとその視界の先に島田が現れる。


「ミギーどこ狙うかわかってるな」


「もちろん」


すると石を握る手が変形を始める。
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まるで筋肉そのもののようだ。


そしてそのまま大きく振りかぶり石を投げる。
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石はまっすぐ飛んでいき島田の心臓を一瞬で貫いた。


崩れ落ちる島田。


島田の目は一瞬遠くの新一の姿をとらえた。


(泉・・・)


倒れた島田を取り囲む警官。


新一はそれを静かに見つめている。




ようやく島田を倒すことが出来た。


新一とミギーはもしかしたら通常の寄生生物より強くなっているのかもしれない。


ほかの寄生生物ではこんな遠距離攻撃はできないだろうから。



寄生獣(きせいじゅう)第25話へ続く

寄生獣 第23話 混乱と殺戮 [各話感想]


「どこだ。何階のどこにいる?」とミギーに問う新一。


授業の真っ最中の新一の奇異の言動に皆の注目が集まる。


そのため、ミギーは反応しない。


新一は黙ってそのままクラスを出ていく。




「動くな。動くとよけい痛いぞ」と島田はあきらかにやる気だ。


おびえる裕子。


あらかじめ用意していた薬品を手にする。


そしてそれをそのまま島田に投げつける。

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島田は反射的にそれを切り裂く。


切り裂いた薬品の瓶から液体が飛び散る。


「グ・・・グオ・・・」


薬品をもろに浴びた島田は苦しそうだ。


その隙を見て裕子は窓から逃げ出す。


だがそこは2階だったため木に飛び移る。


なんとか脱出に成功したが、かなりの怪我を負ったようだ。


問題はその一部始終を校庭にいた生徒たちが見ていたことだ。


なにか変なものがいたと、島田のいる美術室へ行ってみようとする者もいる。


一方、島田の方は強い酸を浴び、さらには慌てて変形したため体内にまで巻き込んでしまったようだ。

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島田を探す新一。


ミギーは島田の異変を察知する。


意識が統一されてないというより、支離滅裂だ。島田の身にとんでもないことが起こったようだと予想する。




校庭にいた生徒の一部が島田のいる美術室に向かう。


途中ですれ違った教師がかわりに見てくるからおまえらは戻れと指示する。




島田は表面がただれて人間の姿に戻れない。


(攻撃態勢を保ったまま身を)


(人間の姿に戻るには)


死滅した細胞がじゃまで全体の連絡が取れていない。ミギーの指摘した通り支離滅裂状態になっている。


島田の近くをハエが飛んでいる。


そのハエを島田が攻撃する。
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(何だ・・・おれは何をしている・・・・)


島田自身も自分の行動を制御できないようだ。


そんな時、さっきの教師が近づいてくる。


なにかかぶりものをしていると思っている教師。


しかし次の瞬間、肩口から袈裟懸けに切り裂かれる。


そして近くにいた生徒2人も同様の結果に。


その惨状を発見した教師2人。


混乱しながらも警察に連絡する。


さらに各クラスに避難を呼びかける。


現場を目撃した教師たちは焦りながらも指示を出す。


だが周りの生徒や教師は半信半疑だ。



一方、新一の方も焦っていた。島田を発見できずにいたからだ。


ミギーが島田の信号を察知できていないからだ。どうもその信号がひどく散漫なようだ。


ミギーはB棟に移っていると察知。


新一のクラスのある棟だ。


新一とはすれ違いになったようで、新一は再びB棟に戻る。


すると途中で人だかりができていて通れない。


すると担任がやってきて新一を平手打ち。さきほど勝手に授業を抜け出たのを怒っているらしい。


さらにみんなとグランドへ避難しろと指示。


しかし、生徒たちの避難はひどく緩慢なものだった。


前にも似たようなことがあったなあとAが襲撃したときのことを話しながら避難している。


そんな時、さっきの現場を見た3組の担任が焦りながら急いで避難しろと促す。


だが生徒たちは従わない。


いっこうに前に進めないことに業を煮やした3組の担任は自分たちのクラスだけ反対の階段から非難することを指示。


その3組の中には村野の姿もあった。


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校庭に避難した生徒たちはそのまま下校することを指示される。


しかしそこには、逆の階段から非難したはずの2年3組の生徒が一人もいなかった。


新一は集団から抜け出すとそのまま学校の中に入っていく。


新一が学校の中を歩いているとどこからか悲鳴が聞こえる。


(これは明確な殺意とは違う。動く群れを見て反射的に攻撃したのだ)とミギーは島田の発する信号から分析する。


その時、3組の生徒たちの何人かが校舎から走り出てくる。


その中にも村野の姿がない。


(いない・・・まさか)


新一は村野と喧嘩別れしたシーンを思い浮かべる。


(まさかあれが最後だなんて・・・冗談じゃ・・・)


新一は階段を駆け上がる。


そして角を曲がると、そこには多くの生徒の惨殺死体があった。


「うああああああああっ」


担任や恐らく10名近くいる生徒の死体は原型を留めないぐらい凄惨なものだった。


「ひいいいい」


鼓動が激しくなる新一。


ミギーは新一に落ち着けとと促す。


だが呼吸が激しく乱れる。


(俺は何を今まで何をしていたんだ。壊れる。心が割れる。避ける)



新一はこれまでのいろんなシーンを思い浮かべる。そして、父親に言われた、お前は鉄でできているんじゃないかと言う言葉を思い出す。
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それにより少し冷静になる新一。


よろけながらも、何とか立ち上がる。


(落ち着いた・・・ほんの数十秒間休んだだけなのに心は妙に落ち着いてしまった)


新一は血の海を歩き始める。


(奴を倒さなきゃ。でもその前にあの子を・・・)


その時、新一は立ち止まる。そしてゆっくりと下を向く。


そこには首だけになった、ショートカットの女の子の死体があった。


一瞬、硬直した新一の顔。


だがそれもほんの一瞬だった。


「ごめんな・・・人違いだ」


(奴を倒す。でもその前にあの子・・・)





ひどい大惨事になってしまった。


コントロール不能の状態になった島田。


動くものをただ殺すという恐ろしい生物に。


はたして村野は無事なのか。



寄生獣(きせいじゅう)第24話へ続く

寄生獣 第22話 亀裂 [各話感想]



新一の中学時代。


担任が新一の西高合格を発表する。


喜ぶ新一。


そんな新一に村野が話しかける。


新一は村野の事はあんまり知らないみたいだ。


どうやら村野も西高に受かったらしい。


「同じクラスになれるといいね」と村野が照れながら言う。


「そ・・そうだね」と新一もどぎまぎしながら答える。

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現在の新一と村野。


お互い気まずそうだ。


無言の状態が続く。


なんとか新一が会話をしようとするが続かない。


そんな二人の前に島田が姿を現す。


こないだのこと、あの後どうしたのかと聞いてくる。


どうせ全員、君たちがぶちのめしたんだろと島田が言うと、村野は新一を見る。


バツが悪そうな顔で否定する新一。


そしてそのまま、その場を立ち去る島田。


(ったく。いつかあいつ・・・)と新一は警戒する。


「い・・いたい」と村野。


新一は村野の腕を無意識につかんでいた。
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村野の腕には新一の指のあとがついている。


「ご、ごめん」


さっきの誰なのと聞いてくる村野。


「とんでもないやつだよ。クソ野郎さ。おとなしそうなツラしやがって」と新一は島田の事を罵倒する。


そんなことを言う新一に対し村野がドン引き。


新一がどんどん変わっていくことに居心地の悪さを感じている村野。


新一が今すごく無理をしているような気がすると言う村野に対し、新一は否定する。


前とは違うかもしれないが無理はしていないと新一。


じゃあなんで無理なくそんなに変われるのと村野が問う。


うつむく新一。そして唐突に話を変えようとする。


「いま泉くんのこと話しているのに・・・きみ本当に泉くん・・・」

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「うるせえな!!」と新一は語気を荒げる。


村野は寂しそうに席を立ち「ごめん・・人違いでした」とその場を去っていく。




夜、新一は上半身裸でベットに横たわっている。


ミギーは新一が精神的に強くなったと語る。


人間的と言うより生物としてと付け加える。


「見る者によっては君がえらく変わったような印象をもつのだろうな・・・。まず物事に動じなくなり合理的で落ち込んでも立ち直りが早い」


村野の事は気の毒だったが彼女も弱みの一つだとミギーは言う。


島田は恋愛感情について勉強不足だったから気づかなかったらしいが・・・島田が観察をしているときは彼女は遠ざけた方が安全かもしれんと忠告をする。


「そう考えれば今日の事は少しは気が楽・・・あれ?ミギー俺のこと慰めてくれたわけ?」


「そういうことになるかな」とミギー。


「ともかく食欲を出してもらわないと私も困る。必要ならまた慰めるネタを考えておく」


ため息をつく新一。

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一方、島田の正体が気になる裕子は偽名を名乗り学校から島田の住所を聞き出す。


島田の家まで行くと、ちょうど島田は出かけるところだった。


後をつける裕子。


双眼鏡を使って見ていると、島田が顔を別人に変化させた。


それによって裕子は確信する。


彼が人間ではないということに。


そして島田達の存在が兄達の戦っている相手だと。


ちなみに島田の今日の顔ではなかなかターゲットがひかからないらしい。



家に帰り兄と話している裕子。


兄は自分が知っていることを裕子に話す。


だが裕子は自分が得た情報は話さない。


人を食い殺すという話で兄に話そうと思ったが、兄の言った「生け捕りにでもできれば」という言葉で思い直す。



そして直接、島田と話してみようと決意する。


そして護身用の武器を薬品に決め理科室に行く。



島田を美術室に呼び出した裕子。


そして島田の正体を知っていると告白する。


裕子の手元には薬品が置いてある。


裕子は2度と学校にはこないで、そして人を殺すのはやめてほしいと説得する。


「まずい・・・まずいな・・・」と島田の表情が一変する。


裕子は危険を察知する。


そして先に兄に話しておくんだったと後悔する。
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島田の顔が横に割れ、寄生生物が正体をあらわす。




新一は授業中、突然席を立つ。


「ばかやろう。真昼間だぞ。同じ学校なんだぞ」と叫びながら。


教室中が一斉に新一に注目する。





遂に島田が学校で殺意を発したようです。


裕子も首を突っ込まなければよかったのに。


というか先に兄に言えよと思う。


はたして裕子の用意した薬品は効くのか。



寄生獣(きせいじゅう)第23話へ続く

寄生獣 第21話 観察 [各話感想]



光夫が数人を連れだって島田の前にやってくる。懲りない奴だ。


「あれ・・・また僕に用?」


こないだの礼だよと光夫が答える。


やれやれと島田は人目のない所に連れ出す。



新一が校門のところにやってくると、ミギーが警告をしてくる。


今、島田が殺意を抱いていると。


攻撃対象は4~6人、多分みんな人間だ。


ケンカかと問う新一に対し一方的な殺戮だよと答えるミギー。


どうやら新一は止めに入るつもりらしい。

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一方、島田の方は人目につかない空き地に到着。


光夫が一人でやると言うのに対し、島田はみんな同時にきなよと言う。


「ちょっとうるさいやつが近づいてきたんでね。やるなら早い方がいい」


(2分の1秒で終わらせてやろう)


新一はものすごい勢いで走っている。そしてその勢いのまま塀を飛び越える。
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(近道しやがった。だがあの塀の反対側は下まで3メートルはあるはず・・・。飛び越えたのは右手の力か?きっとそうだ人間の脚力で飛び越せる高さじゃない)と島田が分析する。


「島田。てめえ今度こそ正体を現しやがったな」と新一が怒鳴る。


これは別に自分が望んだことではない。ふりかかる火の粉はどうのってやつだと説明する島田。


新一は島田にこの場を去るように言う。あとは俺がなんとかすると。


それに納得したようで島田は立ち去る。


相手の不良たちはダチをかばったつもりかと馬鹿にする。


(お前らをかばってやったんだぞ)と新一は心で反論する。


対峙する新一と不良たち。


そして奴には2度と手を出すなと言い放つと、一人の男に近づく。


「あんたに言ってんだぜ。この中じゃあんたがリーダーだろ?」


驚く不良たち。


初めて会った上に、決して目立たずに端の方にいた男だったからだ。


何でそう思うかの問いに、一番強そうだし偉そうにしているからと新一は答える。


そしてしばらく間をおいたら、男は突然、新一に殴り掛かる。


しかし新一はその男のコブシを難なく受け止める。


そして新一は今後のためにも少し懲らしめようと思った瞬間、男は何かを察したようでコブシを引っ込める。


「か・・・帰るぞ」と仲間を促し、あわててその場を立ち去る。


(負ける・・・やったらきっと負ける)

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島田のもとに元・田宮良子から電話がある。

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島田にそのまま平穏にするよう頼む。


島田は田宮に新一の右手が1日のうち数時間反応が弱くなると報告する。


そしてさらに「広川」の方は大丈夫かと問う。


「平気よ。側近として例の5人も加わってもらったわ」答える田宮。


「ほう・・ならば一安心というところか」と言いながら電話を切る島田。




学校のグランドで島田は新一を観察している。


なぜか右手の反応が弱い。


弱ったふりをしているのか。


ただ強い信号、特に殺意には反射的に動きをみせるはずだと新一めがけて殺意を送る。
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しかし新一はその瞬間、走り高跳びのバーにひっかり落下したところだった。


(本気だしたら世界記録が出てしまうぜ)と新一が思っている一方、島田は鈍い反応になお不信を抱く。


その島田の後ろから美術部員らしいメガネをかけた女の子が話しかける。


なんか島田の表情があまりなく、作り物みたいだと言う話をしている。結構失礼な話だ。


島田はその彼女の観察力に警戒心を抱く。





裕子という名前らしいその女の子が家のソファーでくつろいでいると一人の男が帰ってくる。


その男の顔は見覚えがある。以前、新一の家で新一の父親に寄生生物の絵を見せていた男だ。つまり警察関係者だろう。


その男が寄生生物の絵を見ていると裕子は後ろからのぞきこんでいる。


「それが今度の容疑者?」


容疑者なわけないだろと慌てて否定する。


「お兄ちゃんは警察なんかより絵の方がむいているんじゃないの」と裕子はその男に言う。


どうやら兄妹のようだ。


その兄が同じ学校の泉新一って知っているかと聞いてきた。


知らないと答える裕子。


兄に島田の絵を見せる裕子。


何か感じないかと問う。


これだけじゃわかんないと答える兄。




翌日、再び学校で島田を見かける裕子。


そんな島田に野球のボールが直撃する。
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島田の顔が陥没する。


そしてすぐに元に戻る。


(つ・・・作り物の顔)と裕子は驚愕する。




遂に島田の正体が一般の人にばれてしまいました。


ただあまり深入りはしない方がいいと思うが。


どう考えても消されてしまう気が。



寄生獣(きせいじゅう)第22話へ続く

寄生獣 第20話 兆し [各話感想]



暗い部屋で一人酒を飲んでいる新一の父。


随分やつれた様子だ。


その父が新一に声をかける。


「新一、おまえしらないうちに・・・いつのまにそんなに強くなった」


「ひょっとしておまえ・・・鉄でできてるんじゃないのか・・・」


そして言い過ぎたと思った父は一言「すまん」と謝る。

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新一は翌日、学校でミギーと話している。


島田は今のところおとなしい。問題は加奈の方だと。


加奈は寄生生物を察知できる能力がありこのままではやばいことになりそうだ。


事情を知らないまま化け物に近づいていってしまうんじゃないかと心配している。


ミギーはなるべく加奈には関わるなと忠告する。


それに寄生生物の方から加奈を察知できるわけでもないからとりわけ危険ではないだろう。




学校が終わり家へ帰る新一。


新一が通り過ぎた後、遊ぶ子供たちは「口だけ頭」ごっこをしている。もしかしたら寄生生物の存在が少しずつだが世間に知られつつあるのかも。


家につく新一。


それと同時に最近雇った家政婦の河合澄江がドアから出てくる。


どうやら客が来ているらしい。


父と話す男が3人。


何かを公表するかしないかでもめている。


どうやらそれを公表するとパニックになるようだ。


一人の男が席を立ち部屋の扉を開ける。


するとそこには新一が立っていた。


「息子の新一です」と父が男たちに紹介する。


「なかなか精悍な感じの息子さんで」とおそらく一番偉いだろう人が感想を述べる。


そしてその男は話を続ける。


ここで公表することはできないと。


さらに「奥さんのことは大変お気の毒と感じますが今の状況を言えば、日本全国で数千あるいはそれ以下の放し飼いの猛獣がいる程度の問題です」と付け加える。


絵をかいていた男が父にスケッチを見せる。
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「ちょうどこんな感じです」と答える父。

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一方、テレビでは最近話題の口だけ頭の特集をやっている。


どうもこの口だけ頭は日本全国で目撃情報があるらしい。


そのテレビを見ている男女がいる。

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女の方はどうやら妊娠しているようだ。おそらく元々、田宮良子と呼ばれていた女であろう。


噂だとはいえ、こういうことが世間に広まっている状況をよく思っていないようだ。


しかし、この状況を予測できたことだと女は言う。


今までのように昆虫的な捕食をただ繰り返していたらやがて追い詰められて残らず駆逐されてしまうだろう。


「なんと弱々しい・・・不完全な生き物なのか」


「私の疑問は一つ・・・私たちの存在する意味よ。いったい何のために・・・」


椅子に座った男は答える「簡単なことじゃないのかね。地球にとって人間が毒となった。だから中和剤が必要になった」と。


女は軽く笑い、手を腹に置きながら「わたしは毒を体内で育てているというわけか」とつぶやく。




新一の家ではお客が帰ったあと、父親と二人になる新一。


そして父は何かを決意したように新一に話し始める。


このことは世間に公表できない、だから決して他言はするなよと前置きを置く父。


新一は遂にこの時が来たと覚悟をする。そしてさっきの客が警察関係者だったことを察する。


父は話を続ける。その内容の多くは新一の知っていることだった。しかし新一はただ黙っていた。


父が得た知識はまだ浅い。だが新一は初めて聞くこのように黙ってうなずいた。


それは残された肉親にはできる限りこの戦いの外側にいてほしいという新一の思いからであった。


最後に父は初めてはっきりと母の死を告げた。




加奈は駅でまたなにかの感覚を感じる。


そこにいたのは島田だった。


そこに光夫が登場。


こちらを見ている島田に因縁をつける。


そして島田を連れていく。


しかしトイレでボコボコニされたのは光夫の方だった。


そして去り際に「この次あまりあまり意味なくケンカをしかけてくるようなら狩るぞ」と言い残して立ち去る。


(化け物かよ)と光夫は動けなかった。




遂に世間に寄生生物の存在がばれ始めました。


そして警察はその存在に確信を抱いているようです。


確かに街中で堂々と変身したりする個体もいるからいずればれるだろうなあ。


人間対寄生生物の図式となるのか。



寄生獣(きせいじゅう)第21話へ続く

寄生獣 第19話 島田秀雄 [各話感想]



体育の時間、100メートルの記録会のようだ。


島田秀雄が10秒8の記録をたたき出す。


周りが驚きに満ちる。


そしてサッカーの時間、島田のオーバヘッドキックが決まる。かなり目立っている。


新一の前でリフティングを始める島田。


「スポーツはいい。運動すればするほど、全身の操縦が上手くなる」


俺たちを油断させてから殺すのかと問う新一に誤解だと島田が答える。


田宮良子に言われてきたのかと問う新一。


「ああ・・いまは別の名前になっているけどね。確かにきみのことは彼女から聞いてきた」と島田。


でもそういうことじゃない。何度も言うけどぼくは戦うためにきたのではない。それどころか人間そのものにも手を出していないと説明する島田。


人間と同じ食べ物を食べている、寄生生物が人間を殺さずに生きていけるとなれば、これはもう問題の解決だろと島田は問う。


信じられない新一。


島田は人間社会の中で人間と共に生きていける道を模索中だと言う。


寄生生物と人間の丁度間にいる君たちにも考えてもらいたいと島田。


「面白い、お前の言うことにはいちいち興味をそそられるよ。でも・・・半分以上は信じがたいな」とミギー。


そして今日は引き上げようと、新一に立ち去ろうと合図を送る。

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そして島田から離れるとミギーは眠りにはいろうとする。


このミギーの4時間寝なければいけないという弱点を島田には知られてはいけない。


考え込む新一。


島田の言っていたことは、魅力的な解決策にも思える。だがやつらがやってきたことから、奴らを信じられない。


そうだ母親を殺されたのだ。


(いつか化けの皮をはいでやる。必ず)


恐ろしい形相で振り返る新一。
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そこには村野がいた。


一瞬で凍りつく村野。


慌てて取り繕うとするが、村野はよそよそしい。


そしてその場を去っていく村野。


再び落ち込む新一。

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(私には超能力がある。しかもこれは赤い糸を感じる力)と加奈がドヤ顔をしている。
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そして、新一の帰り道を待ち伏せる。


そして加奈は新一の近づいてくる気配を感じ、曲がり角から声をかける。


しかしそれは新一ではなく島田秀雄であった。


慌てる加奈。


人違いだ。


「感が鈍ったのかな。私はてっきり泉ってやつかと思って」加奈が言うと、島田が反応する。


「どういうことかな?」


僕と泉どこが似ている?と加奈に詰め寄る。


そのやりとりを新一の鋭敏な聴覚がとらえる。


加奈を連れて行こうと強引に腕を取る島田。


そこへ新一登場。


対峙する新一と島田。


「話を聞こうと思っただけだと」敵対関係を否定する島田。


「もし・・・おれの身の回りで何か起きたら・・・真っ先にてめえを殺す」と新一が怒鳴る。


「おれにできないと思っているのか」と新一はすごむ。


島田は何度も言うけど君と争う気はないと言い残してその場を立ち去る。


そして島田は歩きながら新一の右手の反応が弱いことに気が付いた。


加奈と新一のそばを村野が通りかかる。


それに気が付いた加奈はわざと腕を組む。


そのシーンを村野に見られる。


そして村野はそそくさと立ち去る。


新一は最悪な場面を見られてしまった。




加奈は新一との帰り道、自分にはテレパシーが使えると告白する。


さっきは変な奴と間違えたが、信じてくれと新一に訴える。


だが新一は深刻な顔をする。


「それってあんましよくないものだと思うよ・・・」



説明に困る新一。


加奈の感じる何かは危ないやつや変な奴が出す電波みたいなものなんだよと苦しい説明をする。


すると新一も危ないやつなのかと尋ねると、そうさと新一はこたえる。


「だからそういうやつには近寄らない方がいいんだ」


わらいだす加奈。


そして「またな」と言い残し笑いながら去っていく。



島田秀雄は大きな街に来ていた。


そして壁に貼られたポスターの男性とそっくりな顔に変化する。


そして自分に適した女性を見つけて声をかける。もちろんナンパではない。


人通りの少ない場所で食事をするためだ。





島田秀雄の身体能力が驚異的に高い。


もちろん首から下は通常の人間なのだが、その潜在能力を最大限まで引き出せるのが原因だ。


ちょっとうらやましい。



寄生獣(きせいじゅう)第20話へ続く

寄生獣 第18話 人間 [各話感想]


椅子に座った女がいる。


どうやら妊娠しているようだ。
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「君のボディの年齢は確か・・・10代後半だったな」と女が問う。


もう一人何かを貪り食っている男がまあそんなところだと答える。


「やはり、君に頼もう。その少年を殺さず監視し観察してほしい」


「意味はあるのか?」


「ある。多少危険な存在ではあるが・・・。我々の今後の可能性を占ううえでも貴重な資料だ」と女が答える。


「イズミシンイチ・・だな」と男が振り返る。彼は寄生生物だった。

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新一の目から涙が。ただしそれはホコリが目に入っただけだ。


ホコリが入った時には涙が出るのに、悲しくても涙が出ない。


(心の問題かな)と新一は思う。


体は以前にもまして力がみなぎっているし感覚も鋭くなった。


例えば聴力などは意識を集中すれば遠くの音まで聞こえるし、隣を歩く村野の鼓動まで聞こえる。


その時、新一の耳にはかすかな人間のものではない声が聞こえた。


その声はあきらかに助けを求めるものだった。気になる新一は村野と別れ一人、声のする方へ向かう。


新一は声の主を見つけた。


それは道路の真ん中で、血を流して横たわる子犬であった。


新一は躊躇することなく道路の真ん中へ進む。


しかしミギーの診断によると子犬はもう助かりそうもない。




新一は今にも息絶えそうな子犬を抱え公園のベンチで腰を下ろしている・


そこへ村野がやってくる。


「こいつ、もうすぐ死ぬんだ」


村野は新一が旅行から帰ってきてからこわかったと話す。


前とは随分変わってしまったと。


「でも気のせいだったんだね。こんなにやさしいんだもん」


「死んだ・・・心臓が止まった」と新一。


「行こう、もう遅刻だけど」


新一は物でもつまむように子犬の亡骸を手にもつ。


そしてその亡骸を物でも捨てるように、公園のごみ箱の中にすてる。


その行動に村野が驚愕。


信じられない。ごみ箱に捨てるなんて。


その様子を見て新一は清掃の人が困るかなと答える。


村野はドン引き。


新一はそれが理解できない。


「もう死んだんだよ。死んだ犬は犬じゃない。犬の形をした肉だ」と新一はさらりと言う。


「やっぱり違うよ。前の泉くんはそんな・・・」と走ってその場を去る村野。


その現実に肩を落とす新一。


自分が変わってしまったのか。


ミギーに自分が間違っていたのかと問う。


ミギーは一つも間違っていない、私から見ればねと答える。


ただ以前のきみとはだいぶ違う。人間しては感情の切り替えが早い。犬の形をした肉何てセリフむしろ私が使いそうな表現だ。


それを聞いた新一は考え込む。そして妙に納得をした顔をしてミギーに礼を言う。




新一は犬の亡骸を抱えたままシャベルを借り、木の根元に穴を掘る。


そしてその穴に犬を埋めてやる。


木が墓標の代わりだ。


犬の体は分解されて養分となりこの木に受け継がれる。


(はじめからこうしてれば・・・あの子にもきらわれずにすんだのに・・・)

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学校で村野と顔を合わすと、村野は走り去っていく。


どうやら少し時間を空けなければいけないようだ。


教室の自分の席で座っていると、ミギーが突然話しかけてきた。


今この学校に「仲間」が入ってきたと。


どうやら田宮良子が戻ってきたわけでもないらしい。


ミギーによると相手には戦意が感じられない。


どうもいつもと感じが違うらしい。


戦う気満々の新一に「少し落ち着け。もっと平和主義になれ」とミギーが諭す。


ミギーにそう言われて自己嫌悪の新一。


少しづつ寄生生物のいる場所に近づく新一。


3年2組の教室の中から反応がある。


どうやら最近このクラスには転校生がやってきたらしい。


いきなり扉が開く。

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「やあ・・・泉くん・・・だね?」


対峙する二人。


「おや?聞いていたのとイメージが違うな。ずっと強そうだ」


「なんで学校に・・何しにきやがった」と新一。


そこへ3年の男子が近づいてくる。


すると転校生の男がいきなり顔めがけて拳を振るう。


「邪魔だぞ・・・おまえ」


「島田秀雄。最近決めた僕の名前さ」


「まずはきみと・・・いや君たちと友達になろうと思ってね」


(なんだあ・・・・)と身構える新一。





島田秀雄は明らかに冒頭に登場した男ですね。


妊娠した女性はおそらく田宮良子(旧姓)だろう。


いったい彼女の目的はなんなのか。寄生生物の中でもとびぬけてキレる個体だから油断がならない。


寄生獣(きせいじゅう) 第19話へ続く

寄生獣 第17話 変貌 [各話感想]



登校する新一を見つける村野。


「泉くん」と後ろから声をかける。


振り向く新一。

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新一はイメージチェンジしていた。

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不良が一方的に暴力を振るっている。


その中には光夫がいた。


どうやら最近、加奈が新一に興味を持っていることが不満らしくイライラしているようだ。


一方、加奈の方はなぜ新一がいるのがわかるのか不思議に感じている。


そんな加奈に詰め寄る光夫。


光夫を軽くあしらう加奈。


完全にフラれてしまった光夫。




光夫は西高の校門の前に立っている。


どうやら新一を待ち構えているようだ。


そこへイメチェンを終えた新一登場。


「ああ・・・またあんたか・・・」


「誰だ?おまえ・・・」と光夫。


二人で歩き出す新一と光夫。


同級生からあいつは変わった、全然弱そうに見えないと言われる新一。


山で修行でもしてきたんじゃねえのとまで言われている。


その異変に光夫も気付いている。


二人は以前、新一が光夫にボコボコニされたところまでやってきた。


「まさかあんたここに住んでいるわけじゃないよな?」と新一が訪ねる。


「てめえ加奈と・・・・加奈と何発やりやがった」と叫ぶ光夫。発想が貧困である。


あきれる新一。


誤解だと説明する新一。


あくまでも思い過ごしだからとその場を後にする。


そんな新一に殴り掛かる光夫。


新一にはそのコブシの動きがスローに見える。


まるで止まって見えるようだと。


ただよけるとまた面倒なことになりそうだからわざと殴られることにする。


痛がる新一。痛くないだろうと思っていたがそうでもなかったらしい。


頭に来たのでとりあえず光夫を軽く押し倒す。


そして再びその場を後にする。


しつこい光夫は新一の前に回り込む。


どうやら新一にコケにされたくないらしい。


「やめろってんだよ。この前とは違う」


光夫は右足で顔面を狙う。

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それを軽く左手で受け止め、左手一本で体ごと持ち上げる。


そしてそのまま光夫の靴がぬげ吹き飛ぶ光夫。

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そこへ心配した村野が駆けつける。


「大丈夫何でもないよ」と新一が村野に声をかける。


光夫の方に目線を向ける。ビビる光夫。


「靴ここにおいとくよん」とそのまま立ち去る新一。


一緒に変える新一と村野。


雰囲気の変わった新一に違和感を感じる村野。


(違う・・前の泉くんと違う・・・すごく違う・・・)


「泉くん・・きみ・・・泉新一くん・・・だよね?」


「・・・さあ。どうなのかな・・・」



足が止まる村野。


振り返る新一。


「やっやだなあ。おれはおれだよ」と慌てて言い直す。


そんなやりとをしている先に、加奈がいる。


加奈は新一が近づいてくる気配を感じる。


(すごい、なんでわかるの。やだわたし)と加奈が思っていると本当に新一の姿が見える。


ただ村野と一緒にいるところを見て、話しかけずに不機嫌そうにベンチに座る。




新一のなぞのイメージチェンジ。


ただ変わったのは外見だけではないようだ。


もうそこいらの不良程度では新一の相手にもならないようで。



寄生獣(きせいじゅう)第18話へ続く
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